投資信託の費用

資産運用をする場合に気になるものの一つに費用があると思います。

ここでは投資信託の費用についてまとめます。
商品によって全く異なる費用を知り、それを踏まえて今後皆様がどのように資産運用を進めていくかのご参考になれば幸いです。

ブロガーに人気の投資信託に“eMAXISシリーズ”があります。
https://emaxis.jp/about/about.html

一言で言えば、
『超低コストの投資信託シリーズ』
です。

どのくらいコストが違うのか、大手証券会社の販売上位ファンドと運用対象やテーマが近いもので比較します。
大手証券会社の販売上位ファンドは具体的な商品名は記載していません。
ちなみに、運用成績も気になると思いますのでホームページ等に記載されている実績で比較致します。
(実績の”--%”は、運用期間がそこまで満たないため記載出来ません)
尚、運用成績はこれまでの実績であり、今後を保証・示唆するものではありません。

※前提条件
 購入金額(元本部分)及び各費用の計算基準の金額は500万円としています。

※費用の簡単な説明
 ①購入手数料:購入時に支払う直接費用。購入した取引の明細に記載されます。保有期間に関係なく購入時1回負担。ここでは元本を500万円とし手数料を外枠で計算しています。
 ②信託財産留保額:解約(売却)時に元本から引かれる直接費用。このブログでは便宜上、解約時の元本は500万円と仮定しています。取引した明細に金額が記載されることはほとんどなく、解約時の基準価格から信託財産留保額を引いたあとの、換金価格等の名称で表示されます。
 ③信託報酬:保有期間中負担する間接費用。保有した期間、日割りで負担。日々の基準価格はこの費用が日割りで引かれた数字が載っています。間接費用でもあり支払っている実感は薄いかも知れませんが、投資家が負担する費用です。


AIのテーマ型ファンド

コスト

<大手証券会社>

商品名(仮)AIのテーマ型ファンド
①購入手数料(購入時)3.3%165,000円
②信託財産留保額(解約時)0%0円
保有期間1年3年5年
③信託報酬(年率1.925%)96,250円288,750円481,250円
費用合計(①+②+③)261,250円453,750円646,250円
(1年あたり)261,250円151,250円129,250円

< eMAXIS >

商品名(仮)eMAXIS Neo AI関連テーマ4商品平均
①購入手数料(購入時)0%0円
②信託財産留保額(解約時)0%0円
保有期間1年3年5年
③信託報酬(年率0.792%)39,600円118,800円198,000円
費用合計(①+②+③)39,600円118,800円198,000円
(1年あたり)39,600円39,600円39,600円

※eMAXIS Neo(ロボット・フィンテック・バーチャルリアリティ・自動運転)の平均。購入手数料・信託財産留保額・信託報酬は4商品全て同じ。

手数料は買い付け時のみの負担のため長期間保有すると1年あたりの割合は下がるものの、実額で見ると3年合計で約33.5万円、5年合計では約44.8万円の差になっています。

実績(リターン)

<大手証券会社・eMAXIS>

各期間のリターン大手証券eMAXIS(4商品平均)
1カ月8.17%-5.435%
3カ月12.22%1.7375%
6カ月22.1%13.115%
1年84.02%84.4875%
3年--%--%
5年--%--%

リターンを比較すると、6カ月までの期間では大手証券で販売されている方が実績は高いですが、1年間で見るとほぼ同じくらいになっています。

アメリカの株式型アクティブファンド

コスト

<大手証券会社>

商品名(仮)アメリカの株式型アクティブファンド
①購入手数料(購入時)3.3%165,000円
②信託財産留保額(解約時)0%0円
保有期間1年3年5年
③信託報酬(年率1.727%)86,350円259,050円431,750円
費用合計(①+②+③)251,350円424,050円596,750円
(1年あたり)251,350円141,350円119,350円


< eMAXIS >

商品名eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
①購入手数料(購入時)0%0円
②信託財産留保額(解約時)0%0円
保有期間1年3年5年
③信託報酬(年率0.0968%)4,840円14,520円24,200円
費用合計(①+②+③)4,840円14,520円24,200円
(1年あたり)4,840円4,840円4,840円

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の費用が極端に安い(信託報酬:年率0.0968%のみ)こともありますが、費用の差はかなり大きいです。実額では、1年で約24.6万円、3年で約40.9万円、5年で約57.2万円の差になっています。

実績(リターン)

<大手証券会社・eMAXIS>

各期間のリターン大手証券eMAXIS
1カ月6.33%2.12%
3カ月14.57%5.73%
6カ月22.77%19.86%
1年42.49%38.91%
3年89.97%59.68%
5年204.22%--%

アクティブファンドは費用は高めですが、この商品に関してはその費用に見合う実績は出ていると言えそうです。

J-REIT(上場不動産投資信託)に投資する投資信託

コスト

<大手証券会社>

商品名(仮)J-REIT(上場不動産投資信託)に投資する投資信託
①購入手数料(購入時)2.2%110,000円
②信託財産留保額(解約時)0%0円
保有期間1年3年5年
③信託報酬(年率0.792%)39,600円118,800円198,000円
費用合計(①+②+③)149,600円228,800円308,000円
(1年あたり)149,600円76,267円61,600円

< eMAXIS >

商品名eMAXIS Slim 国内リートインデックス
①購入手数料(購入時)0%0円
②信託財産留保額(解約時)0%0円
保有期間1年3年5年
③信託報酬(年率0.187%)9,350円28,050円46,750円
費用合計(①+②+③)9,350円28,050円46,750円
(1年あたり)9,350円9,350円9,350円

投資信託を組み合わせる投資信託のため、費用は上の2商品と比べて大手証券で販売されている方も安めになっていますが、それでもeMAXISとの差は実額では3年間で約20万円、5年間で約26万円になっています。

実績(リターン)

<大手証券会社・eMAXIS>

各期間のリターン大手証券eMAXIS
1カ月3.92%2.07%
3カ月7.32%5.6%
6カ月22.25%21.9%
1年33.1%35%
3年33.69%--%
5年36.2%--%

投資信託に投資する投資信託だからかも知れませんが、リターンはどの期間で比べても大きな差があるとは言えなさそうです。

まとめ

大手証券会社でしっかりとしたサポートを受けるには費用もそれなりに必要だと思います。費用を抑えたい場合はeMAXISは有効だと思いますが、対面営業の証券会社でも取り扱いはしていても提案されることはおそらくないと思いますので、 eMAXISを利用する場合はアドバイスを求めず自分で情報収集から行う必要もあると思います。

当事務所のFPは証券会社で10年以上の営業経験がありますので資産運用に関するアドバイスはお任せ下さい。

  • 証券会社は敷居が高いと思うしそんなにたくさん運用に資金を回せない
  • 手数料は安くしたいけどどういう選び方をしたら良いかアドバイスは欲しい

と思われる方はまずは個別相談をご利用下さい。運用に関する考え方等をお聞きし、お客様がご自身で選べるようになるための進め方をお伝え致します。