日銀の『実質利上げ』、住宅ローンは何が気になるか?

日銀(日本銀行)は19・20日に開催していた金融政策決定会合で、現行の金融緩和策の縮小を決めました。
長期金利の変動許容幅を0.25%程度→0.5%程度に引き上げられることが決まりました。

この決定で、影響が大きく出そうな住宅ローンはどの程度影響を受けそうか気になる方は多いと思います。
当ホームページでは以前に、一部の大手銀行が住宅ローン金利を引き上げたことと具体的に0.1%引き上げられた場合に返済額がどのようになるかシミュレーションした結果をまとめたブログを掲載しています。

『約0.1%』の引上げは“僅か”な幅でしょうか

『約0.1%』の引上げは“僅か”な幅でしょうか

10月31日に発表された11月の住宅ローン金利で、一部の大手銀行が金利を引き上げました。 引き上げ幅は、0.03%~0.15%です。この記事では、便宜上 『約0.1%』 とします。こ…

僅か0.1%でも上昇すると、毎月や1年間では大した金額に見えないかも知れませんが35年間と言う長期間で返済総額の違い見ると決して小さくない金額だと思います。

住宅ローンは何が気になるか

日銀の決定を受けて、見た範囲の情報番組では住宅ローンのことを多く取り上げていました。何が気になるのか、状況別にまとめます。

既にローンの返済を開始している方

全期間固定型の場合

影響を受けず返済額も金利も変わりません。

一定期間(10年など)固定型の場合

固定期間中は影響を受けませんが、固定期間終了後に変化した影響が反映されます。ただ、固定期間が終わる時までどの程度になるかは分かりませんので、固定期間が終わる1年前くらいまでは静観になるかも知れません。

・『どの程度変わるか分からないけど現在の金利だとしたらどうなるか、その時々の状況でライフプランを検討したい』
と思われる方は早めに、
・『どのくらい変わるかある程度近い金額が分かってからライフプランを検討したい』
と思われる方は固定期間が終わる1年前~3カ月程度前を目安に、
キャッシュフロー表の作成やライフプランニングを確認されることをお勧めします。

変動型の場合

次回更新(おそらく半年毎)時から影響が出てくると思います。
金利に関するニュースを気にかけておくと心の準備がいくらかは出来ると思いますので、実際の更新時に慌てなくて良いと思います。
『変動で借りて返済期間がまだまだ長い』と言う方は、早めにキャッシュフロー表を作り返済額が変わった時の準備をしておくことをお勧めします。

まだ借りていない方

借りることが決まっている方

適用される金利は実際に借りる日の金利になるケースが一般的ですので、おそらく借りる話をしていた時よりも実際に適用される金利は高くなり返済額も多くなると思います。普段の家計にどの程度影響が出そうか、確認されることをお勧めします。

これから借りようと思う方

これまで収集した情報よりも金利は高くなると思います。固定を選ぼうとした場合、上昇幅は変動よりもおそらく大きくなるのではないかと推測します。結果的に『以前に借りていたら良かった』と思われるかも知れませんがそれどうしようも出来ないことですので、今から借りるとどうなるかの観点でキャッシュフロー表を作成しライフプランニングを再確認されることをお勧めします。

最後に

現状は、日銀が金利の上限を設定しそれを超えないようにコントロールしているので上昇幅は一定範囲に留まっています。
ただ、日銀がコントロールしなければ更に上がる状況だと思いますので、今回の変化は住宅ローンの組み方や返済計画について確認する良いきっかけになると思います。

ニュースを見聞きするだけでは漠然と不安が増えるだけかも知れませんが、キャッシュフロー表を作るなど行い『見える化』するとその漠然とした不安はいくらかでも解消出来ると思います。もしどのように作れば良いか分からない、と言う方はお気軽にご相談下さい。